AI(人工知能)の一つであるChatGPT(OpenAI)がリリースされてから三年弱になろうとしています。当初は「AIが人間の仕事を奪う」的なことを言われていましたが、今はどうでしょうか?
周りに目を向けると、AIはChatGPTだけでなく、Gemini(Google)、Copilot(Microsoft)、Apple Intelligence(Apple)など様々あり「人の仕事を奪う」よりも「人の仕事をサポートする」ことで、年々利用が拡大しています。
私も最近は仕事でAIを活用する場面が出てきていますが、人がやるよりも圧倒的にアウトプットが早く、テクノロジーの進化はここまで来たかと感心しているところです。
人間はゼロから新しいモノを生み出すことができる(智慧)、AIは膨大なデータベースから答え「らしいもの」を導き出すことができる(知識)的な違いはあるものの、私のような兼業僧侶(平日はサラリーマン)にとっては、大きな可能性を秘めていると感じています。
今まで「これをこうしたらどうなるんだろう」と漠然に考えていたことも、とりあえずAIに聞いてみることができるからです。
私は本堂での法要前に毎回法話をしていますが、子供にも伝わる内容でというのは難しく毎回苦慮しているところです。例えば、「これを子供にも分かるように説明するとどうなるんだろう」と考えたとき、「自分で調べてみる」と相当な労力がかかるため、なかなか一歩踏み出すことができません。
ところが、AIに聞くことはすぐにできます。「正解」は返ってこないものの「正解に一歩でも近づく」ことが可能です。
試しに一遍上人の教えを、「小学生でも分かるよう」AIから説明してもらうとこのような答えが返ってきました。
はい、みなさんこんにちは!
今日は、今から800年くらい昔の日本にいた、とってもユニークで優しいお坊さん、「一遍上人(いっぺんしょうにん)」のお話をするね。
旅するお坊さん、一遍上人
一遍上人は、ずっと同じお寺にいるお坊さんとはちょっと違って、日本中を旅していました。北から南まで、いろんな場所を歩いて、たくさんの人々と出会ったんだ。だから「旅するお坊さん」なんて呼ばれることもあるよ。
じゃあ、なんで旅をしていたんだろう? それは、みんなに、ある「キラキラ言葉」を教えるためだったんだ。
魔法の言葉「南無阿弥陀仏」
そのキラキラ言葉とは、「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」という言葉。
一遍上人はこう教えました。
「難しいお祈りの方法や、大変な修行はしなくていいんだよ。ただ、心からこの『南無阿弥陀仏』という言葉を唱えるだけで、誰でも、どんな人でも、仏様が助けてくれて、幸せになれるんだよ」
これは、すごいことだよね。「お金持ちでも、貧しくても、男の子でも、女の子でも、お年寄りでも、子どもでも、みーんな同じように仏様は見守ってくれているよ」っていう、とっても優しいメッセージなんだ。
一遍上人は、この「南無阿弥陀仏」と書いたお札を、出会う人みんなに「はい、どうぞ!」って配って歩いたんだ。まるで、「幸せになるお守り」をプレゼントして歩いているみたいだね。
みんなで踊ろう!踊り念仏(おどりねんぶつ)
一遍上人の教えで、もっともユニークなのが「踊り念仏」。
みんなは、うれしいことがあると、思わずジャンプしたり、スキップしたりしちゃうことはないかな? 一遍上人は、まさにそんな感じだったんだ。
「南無阿弥陀仏」と唱えていると、仏様に守られていることがうれしくて、楽しくて、自然と体が動き出しちゃう! それなら、みんなで一緒に歌って踊って、楽しく仏様と仲良くなろうよ!と考えたんだ。
太鼓や鐘を鳴らしながら、みんなで輪になって、「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」と唱えながら踊る。悲しいことや、つらいことがあっても、みんなで踊っているうちに、心が軽くなって、元気が出てくる。そんな不思議なパワーが踊り念仏にはあったんだね。
一遍上人の願い
一遍上人が一番伝えたかったことは、きっとこういうことだよ。
「むずかしいことは考えなくていい。今、この瞬間を大切にして、ただ『南無阿弥陀仏』と唱えてみよう。そうすれば、心はいつでも晴れやかになって、毎日を楽しく生きられるよ。そして、みんな仏様の前では同じなんだから、お互いに助け合って仲良くしようね!」
一遍上人は、人々の不安な心をやわらげて、生きる希望を与えて歩いた、とっても心の温かいお坊さんだったんだね。
続いて「幼稚園児でも分かるよう」AIから説明してもらうとこのような答えが返ってきました。
はーい、みんな、こんにちは!
きょうはね、「いっぺんさん」っていう、とってもやさしいおぼうさんのおはなしだよ。
いっぺんさんは、たびがだいすき!
いっぺんさんは、ずーっとおうち(おてら)にいるんじゃなくて、いろんなところにてくてくおさんぽするのがだいすきだったんだ。
なんでかっていうとね、みんなに、すっごい「にこにこになるおまじない」をおしえてあげたかったからなんだよ。
ふしぎな おまじない「なむあみだぶつ」
そのおまじないはね…
「なむあみだぶつ」
これだけ!
いっぺんさんはね、「この『なむあみだぶつ』っていうことばを、こえにだしていうだけで、だいじょうぶだよ! ほとけさまが、みーんなのこと、いつもぎゅーってだきしめてくれるからね」っておしえてくれたんだ。
おとこのこ も おんなのこ も、ちいさいこ も おおきいひと も、みーんな、ほとけさまはだいすきなんだよ。
いっぺんさんは、この「なむあみだぶつ」ってかいたキラキラのカードを、あうひとみんなに「はい、プレゼント!」ってわたして歩いたんだ。やさしいね!
わーい!みんなでダンス!ダンス!
いっぺんさんはね、うれしくなるとおどりたくなっちゃうんだ!
「なむあみだぶつ」っていってると、こころがぽかぽかしてきて、わくわくしてきちゃう。
「よし!みんなでいっしょにおどっちゃおう!」
たいこをドンドン!かねをシャンシャン!ならしながら、みんなでてをつないで、ぐるぐるまわって、「なむあみだぶつ〜♪」っておどりながらうたったんだ。
これを「おどりねんぶつ」っていうんだよ。
かなしいきもちだったこも、このダンスをおどると、いつのまにか、にっこにこえがおになっちゃったんだって!
いっぺんさんのきもち
いっぺんさんはね、みんなにこういいたかったんだ。
「こわいことなんてないよ。むずかしいこともないよ。『なむあみだぶつ』っていって、みんなでたのしくダンスしよう!そしたら、まいにちたのしいよ!みんな、なかよしだよ!」
いっぺんさんは、みんながえがおになれるように、たのしいダンスとやさしいおまじないをおしえてくれた、すてきなおぼうさんなんだね!
どうでしょうか?遊行、お念仏、賦算、踊り念仏、と短い文章でも大筋は上手く捉えているように思います。
「仏教は難しい」、「お経は何が書いているのか分からない」、こんなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、AIが架け橋になると、こうしたことも変わってくるのかもしれませんね。